磯の香りがする川のまち 富山県・射水市内川を味わう 海旅モニターツアー in 富山県射水市 開催しました!

【開催レポート】 一般社団法人海と食文化フォーラムは、2025年10月9日(木)〜10日(金)の2日間にわたって、富山県射水市新湊地区を舞台に「海旅モニターツアー」を開催しました。


海旅プロジェクトは、地域の「海と食」に焦点を当て、圧倒的な感動体験を通じて、学びや気づきを促す体験機会の創出を図り、食を入口にした社会課題や海洋文化の理解を深める学びの旅を設計することで、参加者が「海と人のつながり」を再発見して、次の行動へとつながる体験づくりを目指します。
第一弾の舞台は、富山湾とつながる川・内川を抱える射水市。川と海が交わる独特のまちの風景や文化を題材に、「海×食×旅」をテーマとしたモニタープランを設計しました。旅行業界、食業界、メディア、農漁業を学ぶ大学生など計8名のモニター参加者が、射水ならではの “海と暮らす1泊2日” を体感しました。この取り組みは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環で実施しています。

【開催概要】

名称:「磯の香りがする川のまち」富山県・射水市内川を味わう 海旅モニターツアー in 富山県射水市

開催日:2025年10月9日(木)~10日(金) ※一泊二日

開催目的:「海旅プロジェクト」を継続可能な現地の魅力を発信する旅コンテンツとして定着させるため、ご参加いただくモニターの皆様にご意見をいただきながら、海×食×旅というコンセプトで、地域と協業して海旅体験の付加価値を探る。

モニター参加者:旅行業界関係者、メディア関係者、農業・漁業の経営を学ぶ大学生 計8名

行程:1日目

14:00 [現地集合] 万葉線 クロスベイ駅前

14:10 [徒歩移動] 射水市観光まちづくり課にて、「内川の街の変遷と概要」について紹介

15:00 [徒歩移動] 内川散策

16:00 講座① 空間デザインから見る海と暮らすまち、内川の魅力(場所:AKAMA富山)

17:00 講座② 白えび漁×富山湾の海について(場所:AKAMA富山)

18:00 [食事] 富山湾の海の恵みを食べて体感(場所:喰いもの屋 世楽美)

20:00 解散

行程:2日目

6:30  新湊漁港にて、白えび漁船見学(※観光船による白えび漁見学を実施予定でしたが、荒天のためプログラムを変更)

7:15-7:30 朝競り見学

7:30-8:00 調理体験 & 朝食(場所:みなとキッチン)

9:30-11:00 モニタツアー全体のフィードバックミーティング(場所:みなとキッチン )

12:00 昼競り見学 ※希望者のみ

川と海が交わる、射水ならではの “ 海旅 ”

今回の舞台・富山県射水市新湊地区は、内川を中心に、漁業や食文化とともに独特の暮らしを育んできたまちです。モニターツアーでは、白えび漁や競りの現場、町並み散策、食体験を通じて「海とともにある日常の豊かさ」に触れることを目的としました。

地元のキーパーソンから街の魅力を聞く

ツアー冒頭は、射水市観光まちづくり課の佐野泰寛さんから、「内川周辺エリアと観光資源としての可能性」についてお話をしていただきました。かつて見過ごされていた内川の価値を、熱をもって語る佐野さん。漁師町の風景を「残すべき暮らしの財産」と捉え、行政の立場から再生に挑む姿に、参加者も「地域と共に生きる観光」の意味を実感していました。

佐野さんのお話の後は、徒歩で内川沿いの古民家複合施設「AKAMA富山」へ移動。
リノベーションの仕掛け人であり、空間デザイナーの明石博之さんから、デザインの視点でまちの魅力を伺いました。十数年前、内川の人と風景に魅せられ移住したという明石さん。
“よそ者”としての新鮮なまなざしと、地域に溶け込みながら築いてきた関係性から生まれる言葉には、まちの良さを受け継ぎつつ、新しい価値を共に創るヒントが詰まっていました。

最後は、白えび漁師の野口和宏さんから「白えび漁×富山湾の海について」伺いました。新湊の漁師さんが古くから育んできた様々な漁法や文化が、新湊でとれる魚の豊富さと豊かさにつながっていることがわかります。また、今富山の海で起こっていることや、野口さんが感じるリアルな海の課題も直接聞くことができました。

参加者からは、新しい内川を作るために挑戦するキーパーソンの話に
「内川の概要を詳しく聞いてから川沿いを歩くと風景が全く違って見えた」(旅行業・男性・30代)
「内川をなんとかしたいという熱い思いが伝わってきた」(メディア関係・男性・50代)
「令和の漁師という感じで、漁師さんのイメージが変わった」(旅行業・男性・50代)
という声も。“人”を通して海まち・射水を知る貴重な時間となりました。

富山湾の恵みを堪能する食体験

夕食は、富山湾の海の幸をふんだんに使ったビストロ「世良美」で。
フレンチをベースにした繊細な一皿一皿には、地元の定置網等で獲れた多種多様な魚介類が使われ、射水の豊かな恵みが凝縮されていました。地元食材を知り尽くすシェフの感性が光る料理に、「話を聞いてから食べると一段と味わいが違う」(旅行業・男性・50代)、「バショウカジキなど初めての食材もあり、とても印象的だった」(メディア関連・男性・50代)、「地元の方と語らいながら味わう時間こそ旅の醍醐味」(旅行業・男性・50代)と、参加者からも笑顔がこぼれました。
おいしい料理を囲みながら、空間デザイナーの明石さんや漁師の野口さんとも自然に会話が弾み、夜はあっという間に更けていきました。

観光船と朝セリ見学で、海の変化を体感

翌朝はあいにく風が強く、観光船は出航できませんでした。残念ながら白えび漁への同行は叶いませんでしたが、野口さんの白えび漁船や朝のセリの様子など、貴重な現場を見せてもらいました。
「漁師さんが船で帰ってくる風景は迫力があって印象的。漁業に携わる人の力強さを感じました」(大学4年生・女性)、「悪天候で漁に出られないなど、漁師さんの生業の大変さを実感した」(旅行業・50代男性)などの声もあり、参加者にとって漁業をより身近に感じられたようです。

まちの人と一緒に手作りして味わう、射水の豊かな朝食

その後、漁港内にある鮮魚店「孫七」で朝採れの新鮮な魚を選び、シェアキッチン「みなとキッチン」で朝食作りを体験。漁師の野口さんのお母様が白えびの殻むきを教えてくださり、なんとも贅沢な白えびの刺身を堪能。自分たちで塩を振り、コンロで焼いたイシモチやアジはふっくらと新鮮な旨味が口の中で広がります。参加者からは、「採れたての食材は、食べ物じゃなくて生き物。ありがとうという気持ちで大切に食べようと思った」(大学4年生・女性・20代)「殻むきはとても繊細で難しかったが、甘くてびっくり!」(大学3年生・女性・20代)といった声が聞かれました。同キッチンで料理イベントも行っている「たべごと屋ナトゥーラ」さんが作ってくださる心づくしのお味噌汁やお惣菜も、心がほどけるおいしさ。射水で暮らす人々の温かさが感じられる、心あたたまる朝のひとときとなりました。

今後の展望

ツアー最後に行われたフィードバックミーティングでは、参加者から「直接街の方と話したり、作り手が見える状態で食べたり、“体験”の大事さを感じた」(メディア関連・男性・50代)、「海も魚も好きだけどもっと知りたくなった」(旅行業女性・20代)など感想が聞かれました。また「参加者としてではなく、”アンバサダー”として街の魅力を伝える立場でかかわると、関係人口が増える可能性もある」(旅行業・男性・30代)などの意見も。
反対に地元の関係者からは、「参加者の方の視点や質問が新鮮で刺激をもらった」(空間デザイナー・明石さん)、「飲食をともにし海や街について話すことで、通常のツアーとは違うつながりができた」(漁師・野口さん)などの声が聞かれました。参加者はもちろん、地元関係者にとっても新たな気づきや関係性が生まれ、「海旅」の可能性が一段と高まったモニターツアー。今回のツアーで得た知見やご意見・感想をもとに「海旅」コンセプトをブラッシュアップし、各地域での海旅実施や次なる展開など検討していきます。
今後も “海と暮らすまちの映えない感動旅” を発信し、次世代へ豊かな海を引き継ぐ取り組みを進めてまいります。

磯の香りがする川のまち 富山県・射水市内川を味わう

【視察ブログ】海旅プロジェクトの富田です。

海旅プロジェクトは今年から本格実施スタートする新規事業で、「海×食×旅」の新しい形を模索します!従来のガストロノミーツーリズムと一味違い、「海と暮らす街」のディープな日常を味わう旅・・・

地元の食材の一番おいしい食べ方から、漁師さんおすすめのお店、実際に海に出て食材調達など、さまざまな方向から地元密着で「旅」を考えます。

“映えない”、それはありのままの日常。

“海と暮らすまち”の日常の中には、あなたにとっての非日常となる新たな発見と感動がある。

ここでしか味わえない「特別な食文化」「生業や生活の中に隠れた魅力」に出会う旅は、きっと忘れられない時間をあなたに刻む。

そして、この旅でしか知りえない「今起きている海の変化」への気づきも・・・

「知らないままでいたくない」海旅をあなたに。

海旅プロジェクト、始動します。

今年度は2つのエリアで海旅モデルツアーを実施予定です!

モデルツアー実施にあたり、プロジェクトメンバーが日本各地の「海と暮らす街」を視察予定ですので、順次レポートしていきます。

最初の訪問先は「日本のベニス」とも呼ばれる美しい港町、富山県射水市内川を訪れました。

東京駅から新幹線で富山駅まで行き、レンタカーを走らせること30分。

道の駅 カモンパーク新湊に到着して、まずは腹ごしらえ・・・

入って正面のお土産コーナーには、ホタルイカやシロエビ、氷見牛など地元の名産商品がずらり!!全部買いたい!な勢いでしたが、ここはシロエビ釜飯と氷見うどんと大門素麺とホタルイカ天日干しをチョイス。

お昼は名物・白エビバーガーを食べようと思っていましたが、いずみサクラマスバーガーも白エビとホタルイカのピザも美味しそうだ・・・

白エビバーガー

まずは白エビバーガーを実食。シロエビのかき揚げと卵たっぷりタルタルソース、シャキシャキキャベツ、バンズを口いっぱいに頬張ります。咀嚼するにつれてだんだんとシロエビの風味が広がってきて香ばしい。バンズのしっとり感にバーガーとしてのこだわりを感じます。

白エビとホタルイカのピザ
白エビコロッケ

白エビとホタルイカのピザを食べると、一瞬で海の香りが鼻を抜けていき、クセになる味わい!トマトソースとの相性もよくて、二口目三口目と食べる手が止められません。白エビの味もかき揚げよりもダイレクトに感じられます。

気になって注文した白エビコロッケも、じゃがいもと白エビと油の風味が絶妙にマッチしていてこれまたおいしい。

腹ごしらえを終えて、ホクホクしながら私たち視察チーム一行は内川地方へ。

射水市・内川は写真のように、町の中に漁船が通る川が流れています。

川は通常、山から海へ南北に流れることが多いですが、内川は富山新港から東西方向に、海から海へつながっています。京都の鴨川など街の中心となる川は数あれど、内川は街と海をつなぐ港町ならではの姿!

夜遅く(朝早く)には、内川の漁船が出航する姿も見られます。

何気なく停泊している船の内装はブルーのものが多く、街並みに統一感のある色味を加えていています。なんだか簡単に「映える」と言いたくないような、味わいがあります・・・

通りと川の水との距離感がとにかく近い!

地元の方はやはり小さい頃、遊びといえば川遊びだったそうです。

川沿いのベンチなど、この場所でゆっくりと過ごす時間が見えて魅力的です。

内川にかかる橋は、バブル期に建設されたものが多いとのことで、

デザイナーが腕を振るった個性的なものが多いです。堂々たる手のオブジェが街並みに突如現れるスリル!

川沿いを離れて民家沿いを通っていると、ふと気づく道の錆び。

これは、冬場の積雪を溶かすために散布される地下水に海水が多く含まれていて、塩で道が錆びているとのことです。これも港町ならではの景色・・・

夕食をいただいたのは“フレンチをベースとした気軽なビストロ店”「世楽美」さん!築80年以上の古民家をセルフリノベーションされたとのことで、壁の錆びをあえて残すことで、味わいたっぷりの外観になっています。

いざ食事が始まると驚きの連続。

それぞれのメニューは素材の味を活かした調理法で、魚料理に加えて、肉も野菜も全部おいしい・・・箸が止まりません。

白眉はこのサワラのポワレ 赤ワインソース。

肉厚なサワラはしっかりとした食べ応えがあり、パリッと焼いた皮からバターの香りが鼻を抜けます。マイルドで芳醇な赤ワインソースもサワラの風味を殺さず絶妙なマッチ具合。最高です。

お店の雰囲気も居心地がよく、すばらしい食事と気持ちの良いサービスで、

何度でも訪れたい素敵なお店でした!!

食後は地元の漁師さん行きつけのスナック「むすび」さんへ・・・

射水の街の話や伝統的なお祭りのこと、名物・シロエビ漁の話などお聞きすることができ、港町ならではのディープな時間を過ごすことができました。

さて、翌朝は今回の訪問のメインの目的だったシロエビ漁に同行させていただく予定でしたが、残念ながら、現在射水のシロエビは不漁が続いており、訪れた週は休漁となってしまいました。

シロエビは富山湾でのみ獲れる魚で、地元の漁業者のみなさんが資源管理を積極的に行ってきた歴史があります。輪番制によって漁に出る船と休む船を分け、プール性と組み合わせることで、シロエビ漁の漁業者同士で売上を均等に配分することで過度な漁獲競争を防ぎ、持続可能な漁業を体現しております。

富山湾の重要な資源であるシロエビを守り続けるために、漁に出ないということ。これも海と向き合うという一つの形なのだと、目の前の海を見ながら感じました。

海に出れなければ、陸で海を感じよう!!ということで、実際のシロエビ漁で使用する魚網を見せていただきました。

なんだかカラフルでおしゃれ・・・

地元のデザイナーさんはこの魚網を使ったアレンジTシャツ作ろうと企画していたり、魚網のアップサイクルに取り組まれていました。

これだけカラフルな魚網ならかわいいアレンジグッズがたくさんできそう・・・

旅行者も何かお土産に作れたらいいなあ、なんて妄想も広がります。

空いた時間でふらっと街の魚屋さんを訪れてみました。

美味しそうな地元の魚がずらり・・・・!!

どれも新鮮で、大型スーパーには置いていないような珍しい魚も扱っていて、

港町ならではの魚屋を見るのはとても楽しいです!

私もお土産に、富山名産・ホタルイカと、こちと甘エビの昆布締めを買ってきました!!

最後は内川の美しい夕景

内川・新湊地域は空き家率が高く、人口減少も問題となっているとのことですが、

近年は、そういった空き家民家をリノベーションして、お店や宿泊施設を始める方が多いようです。旅行で訪れた方が街に魅力とポテンシャルを感じ、ここで何かを始めてみたいと思う、そんな力がこの街にはあります。

文字通り海とつながっている街、おいしい海の食材と、地元の人々。そしてここに引き寄せられるように移住してきた人々。

伝統が息づきながら、新しい風が拭く港街。

みなさんも機会があれば、ぜひ訪れてみてください!

▼富山県観光公式サイト / 内川をまちあるき

https://www.info-toyama.com/stories/umitoyama2024ss_history